「5,000万円を変動金利で借りたら、金利が1%上がるだけで総返済額が約500万円増える」
数字にしてみると、変動金利の威力が一気に実感として迫ってきました。
子どもの出産等の生活の変化の中で、金額的に最も大きいのは「住宅の購入」だと思います。住宅ローンの相談サイト「もげチェック」の統計によると、全国の平均借入希望額が2026年4月時点で5,096万円になっているようです(東京都だけで見るともう少し高く、7,500万円前後という数字も出ています)。
我が家もそうでしたが、いざ具体的な金額で住宅ローンを組むとなると、「変動金利にするか固定金利にするか」で悩む方は多いと思います。今回は、5,000万円・35年ローンを例に、変動金利の金利が上がったときに総返済額がどれくらい変わるのか、実際に数字でシミュレーションしてみました。
変動金利の仕組みを簡単におさらい
変動金利は、その名の通り返済期間中に金利が変動するタイプのローンです。多くの金融機関では、半年ごとに適用金利が見直されます。固定金利より当初の金利が低めに設定されていることが多く、「今の金利なら月々の負担が軽い」という理由で選ばれることが多い仕組みです。
ただし、金利が半年ごとに動くとはいえ、月々の返済額がその都度コロコロ変わるわけではありません。これには、次で説明する2つのルールが関わってきます(なお、これらのルールは元利均等返済の場合のみで、元金均等返済では適用されません)。
変動金利を借りるうえでの注意点
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という、返済額の急変動を抑えるための仕組みがあります。
・5年ルール
金利が半年ごとに見直されても、月々の返済額そのものは5年間据え置かれます。金利が上がった分は、返済額の中の「元金部分」と「利息部分」の内訳が変わるだけです。
・125%ルール
5年後に返済額を見直すタイミングでも、どれだけ金利が上がっていたとしても、新しい返済額は「それまでの返済額の1.25倍まで」しか上がらない、という上限です。
一見、家計にやさしい仕組みに見えますが、ここが誤解しやすいところ。実は、上がった分の利息は消えているわけではありません。返済額に反映しきれなかった利息は「未払い利息」として繰り延べられ、最終回にまとめて請求されたり、返済期間そのものが延びたりすることがあります。つまり、「未払いの分は結局あとで支払うことになる」ということです。
「返済額が急に跳ね上がらない」ことと「負担が増えていない」ことはイコールではない、というのは押さえておきたいポイントだなと感じています。
金利が上がると総返済額はどう変わる?
5,000万円・35年・元利均等返済で、金利がその水準でずっと続いたと仮定した場合の月々返済額と総返済額を並べてみました。

こうして表にすると、金利が1%上がるごとに総返済額がおよそ500万〜600万円ずつ積み上がっていくのがよく分かります。0.5%から2.0%まで上がった場合、差額はなんと1,500万円以上。なかなかインパクトのある数字ですね。
変動金利を選ぶときに確認しておきたいこと
数字を見て「怖いから固定一択」と決めつけるのではなく、変動金利を選ぶなら次のような点を事前に確認しておく必要があると思います。
✅️金利が上がった場合でも、月々の返済額を無理なく払い続けられる家計の余力があるか。
✅️繰り上げ返済で元金を早めに減らせる見込みがあるか。
要するに、金利が上がっても対応できる金銭的なゆとりを作っておくことが大切なわけです。ちなみに、住宅ローンには「住宅ローン控除」という制度もあり、年末時点のローン残高の0.7%が税額から控除されます。金利上昇で利息負担が増えても、こうした制度も含めてトータルのコストを考える視点は持っておきたいところです。
まとめ
変動金利は当初の返済額が低く見える分、選びやすいローンですが、5年ルールや125%ルールは「負担を軽くする仕組み」ではなく「負担が急に見えなくなる仕組み」だという理解が大切だなと感じています。5,000万円クラスの借入では、金利がわずか1%違うだけで総返済額が数百万円単位で変わってくるので、契約前にぜひ一度、金利が上がったケースもシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
ではでは!

