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こどもNISAを始める前に知っておきたい「金融機関選び」の落とし穴

資産形成・投資

昨日の記事で、NISAを使っている人がまだ3割程度だという話を書きました。

「少ないな」というのが正直なところ。これだけ制度が整って、「やった方がいい」と言われているにも関わらず、まだ3人に1人。もっと増えてほしい。そう思ったのが最初の感想です。

が、書き終えたあとに、ちょっとしたモヤモヤが残りました。

「じゃあ、単純にNISAを始める人が増えればそれでいいのか?」

しかも来年からは、子ども向けの「こどもNISA」も始まります。10月1日から受付をスタートさせる金融機関もたくさん出てきています。始める人はこれからもっと増えるはず。だからこそ、今のうちに考えておきたいことがあります。

NISAは「宝箱」であって「中身」ではない

NISAというのは、ざっくり言えば「この箱に入れたものは、増えても税金がかかりませんよ」という制度。投資商品そのものではなく、あくまで制度です。箱そのものはとても優秀です。

問題は、その箱に何を入れるか。もし「なんとなく安心だから」という理由で地元の銀行の窓口に相談し、そこで勧められた手数料の高い投資信託を買ってしまったら……。せっかくの貴重な非課税の宝箱に、中身としてはイマイチなものを入れちゃうことになります。税金がかからない代わりに、手数料でじわじわ削られていく。これでは、何のための箱なのかわかりません。

だから個人的には、NISAについては「まずやってみることは大事。でも、最初の一歩をどこで踏み出すかは、もっと大事」だと思っています。

両親のNISA口座移管で気づいた手続きの面倒さ

実際に私自身が身をもって学んだのが、両親のNISA口座をネット証券に移す手続きを手伝ったとき。両親は、最初に地元の銀行でNISA口座を開設していました。

その話を両親から聞いた時、もっと商品の選択肢が広くて手数料の安いネット証券に移した方が良いと伝えました。すると、素直に「なるほど。ぜひそうしたい!」と言ってくれました。で、「やりたいけど方法がわからない」と話していたので、手続きを手伝うことに。ところが、調べ始めてすぐに壁にぶつかります。

「その年にすでに買付をしていると、年内の金融機関変更はできない」

このルール、そのときに初めて知りました。完全に盲点。一度作っても、まさかそんな面倒な縛りがあるとは……。父は既に投資信託を購入していたようで、来年からの変更に持ち越しとなりました。

NISAの金融機関変更、意外と面倒なルール

整理すると、こういう仕組みです。

① NISA口座は1人1口座。変更は年1回まで。
すべての金融機関を通じて1人1口座のみで、複数を同時に持つことはできません。変更できるのも年単位で1回だけです。そんなわけで、金融機関の乗り換えはかなり面倒な感じになるわけです。

② 受付期間は「前年の10月1日〜当年の9月30日」
たとえば2027年から変更したいなら、2026年10月1日から2027年9月30日までの間に手続きをする必要があります。今は9月中旬。乗り換えを考えている方は急ぐ必要がある時期ですね。

③ その年に買付をしていると、当年の変更はできない
ここが落とし穴。変更したい年にNISA口座で一度でも取引をすると、その年の変更はもうできません。1月に少し積み立てただけでも、手続きは翌年扱いになります。

④ 今持っている商品は、新しい口座に移せない
変更前の金融機関のNISA口座で保有していた商品は、変更後のNISA口座へ移すことができません。「売却して新しい口座で買い直す」か「古い口座に置いたまま、新規購入だけ新しい口座ですっd

つまり、一度どこかで開設すると、そこから動くのには時間も手間もかかるということです。

こどもNISAがもうすぐ始まります

この話、実は「今から始める人」だけの問題ではありません。

2027年1月から、0〜17歳を対象とした「こどもNISA」がスタートします。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円。現行NISAのつみたて投資枠と同じく投資信託の積み立てを前提とした仕組みで、購入できる投信も、長期の積み立て・分散投資に適すると金融庁が認めたものに限定されます。

そして利用者が18歳になると、現行NISAのつみたて投資枠に自動的に移行されます。つまり、子どもが生まれてすぐに始めれば、18年という時間を味方につけられる制度です。

ここで大事なポイントがひとつ。

こどもNISA口座の開設手続きの受付は、証券各社で2026年10月から順次始まる予定です。そして、その手続きには親権者の証券口座が必要になります。

おわかりいただけただろうか。

つまり、親がどこに口座を持っているかが、そのまま子どもの口座の場所を決めるということです。

もし親が地銀のNISA口座しか持っていなければ、こどもNISAも、その流れで同じところに開くことになりかねません。そして私の両親のケースと同じように、あとから移そうとすれば、また同じ面倒が待っています。

しかも子どもの場合、払い出しは原則18歳まで不可という制約もあります。長く付き合うことが前提の口座なわけです。

18年間付き合う箱を、どこに置くか。

やっぱり重要なのは、最初の一社選び。

今できることは、シンプルです。こどもNISAを使いたいと思っているなら、10月の受付開始までに、親自身がネット証券に口座を持っておくこと。それだけで、子どもの分もスムーズにスタートできます。

最初の一手は、ネット証券で

ここまで書いてきて、最初の問いに戻ります。

NISAを始める人を増やすべきか、正しい知識を持つ人を増やすべきか。

僕の答えは、「両方だけど、順番がある」です。

知識がつくまで待っていたら、多くの人は一生始めません。だから「まずやってみる」は正しい。でも、始める前にこれだけは知っておいてほしい。それは「最初の口座は、ネット証券で開く」ということ。

これだけで、あとから僕の両親のような手間を踏むリスクがぐっと減ります。商品の選択肢も広いですし、低コストのインデックスファンドも選べます。個人的には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)等の優良な投資信託が購入できる「楽天証券」か「SBI証券」をオススメします。

深い知識は、始めてから積み上げていけばいい。でも、最初の一社だけは、あとから取り返すのが面倒なのです。

おわりに

毎日リベ大の両学長の運営するコミュニティ「リベシティ」で学び続けていますが、NISAを始める前に、まずは「低コスト・広分散」の大原則は押さえておく必要があるなぁと日々感じています。せっかくの神制度。宝箱には、それに見合ったお宝を入れていく必要がありますね。これからNISAを始める方にとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

ではでは!

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